Q.シラス鰻(うなぎ)の採捕許可を出すのは誰?
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Q.シラス鰻(うなぎ)の採捕許可を出すのは誰?
鰻(うなぎ)だけではなく、魚の種魚・種具・種苗はいずれも「水産資保護法」でとることが禁止されています。鰻(うなぎ)の種魚であるシラス鰻(うなぎ)も同様で、基本的にはとっていけません。
ただ、水産庁の指導の下、養殖用もしくは研究用に限定した形で各都府県知事の許可を得て特別にとることができます。これを「特別採捕」(業界では「特採」)と呼びます。各都府県で定めた規則、時間に従い、採捕許可団体に採捕権が与えられます。採捕期間は原則150日で、基本的に12月1日から翌年4月30日までとなっていますが、大阪のように5月15日まで採捕が認められるところもあります。特別採捕を実施していない自治体は、福島県以北と日本海側にしか海のない県(京都府も含む)、そして海に面していない群馬県・栃木県・長野県です。また、岡山県・沖縄県でも行われていません。
1.市長村長、2.都道府県知事、3.水産庁長官、4.農林水産大臣、5.内閣総理大臣
A.2.都道府県知事
Q.鰻(うなぎ)の推魚は台湾では昔どう扱われていた? 1.アヒルの餌、2.割魚、3.食用魚、4.釣り餌、5.田畑の肥料
鰻(うなぎ)の稚魚であるシラス鰻(うなぎ)が成長すると体色が黒くなり、「クロコ」となります。このクロコ、台湾では昔は「鰻(うなぎ)の推魚」という認職がなかったようで、北京ダック用に育てるアヒルの餌として与えられていたそうです。
歴史的に振り返ると、日本で1970年にエラ腎炎という病気が蔓延し、国内の養殖鰻(うなぎ)の多くが死滅する事態の中で、新天地を求めて台湾で鰻(うなぎ)養殖の可能を模索する動きが高まっていきました。そのとき、現地でアヒルの餌にされていたクロコが実は鰻(うなぎ)の稚魚出あり、市場となることはなくなりました。そしてその後、台湾でも養鰻業が発展することになったのです。
A.アヒルの餌
Q.1960年代後半から、多くの人がある業種から養鰻業へと転業しました。その業種とは? 1.遠洋マグロ漁業、2.炭製造業、3.造船業、4.園芸ハウス農家、5.家屋解体業
現在、最も広く行われている鰻(うなぎ)のハウス養殖は1960年代後半に高知県の園芸農家がピーマンなどの園芸ハウスを養鰻場に転用する形でスタートしました。ビニルハウスの内部にシートで池を作り、その中に水を張るという比較的簡易なスタイルでしたが、その方法でハウス農家が養鰻業に続々転業。加温したハウスで鰻(うなぎ)を養殖するスタイルが確立されました。
当時、ハウスのような閉鎖空間で養殖すると鰻(うなぎ)が酸欠になるのではないか、と心配されていましたが、冬眠せずに早いスピードで育つことが分かり、全国各地でハウス養殖の導入が一気に進みました。鹿児島県や宮崎県ではコンクリートの池の上に新たにハウスが建てられましたが、静岡県や愛知県では従来の素堀の池の上にハウスを建てた形での養鰻場が主流となっています。
A.園芸ハウス農家
Q.鰻(うなぎ)は海水で養殖できる?
多くの養鰻場では淡水を利用して鰻(うなぎ)を飼っています。しかし、鰻(うなぎ)はもともと海で生きられる魚ですから、海水でも養鰻は可能です。海水を利用するメリットもあります。鰻(うなぎ)は寄生虫などによる被害も受けることがありますが、塩分濃度の高い海水中ではそうした害虫が死滅し、被害を受けにくいのです。
ただ、ひとくちに海水での養殖といっても、1.海中で養殖する方法と2.海水を陸上で海水養殖する方法があります。中国のある地域では、海に設置されたエビの養殖場を利用して鰻(うなぎ)の養殖が行われています。また、陸上に海水を引き込んで養殖する方法は、鰻(うなぎ)だけではなく、トラフグやヒラメの養殖においても同様に行われています。
A.できます