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Q.「万葉集」で鰻(うなぎ)のことを詠んだ歌人は誰?

Q.「万葉集」で鰻(うなぎ)のことを詠んだ歌人は誰?

日本最古の歌集「万葉集」の巻16に、編者のひとりでも大伴家持が詠んだ鰻(うなぎ)の歌が2首あります。

石麻呂に   吾物申す   夏痩せに

よしといふものぞ   むなぎ捕り喫せ

 

痩す痩すも 生けらばあらむを はたやはた

むなぎを捕ると 川に流るな

 

1首目の歌は、痩せた友人も石麻呂を気遣い、夏バテに良いといわれる鰻(うなぎ)をとってきて食べなさい、と栄養ある鰻(うなぎ)を勧めている歌です。歌中の「石麻呂」という人物は吉田連老のことで、大食いにも拘わらずひどく痩せた老人だったようです。

しかし2首目をみると、夏バテで痩せていても生きてさえいればよいから、それより川へ鰻(うなぎ)とるに行って命を落としたりしないように、と歌っています。家特は一旦は鰻(うなぎ)とりを進めておきながら、そのすぐ後、揚げ足をとるのかように、いやいやその痩せこけた体では川の速い流れは危険なので、命あっての物種、やっぱり止めておけと揶揄しているのです。

歌に添えてある題詞に「痩せたる人を嗤笑う歌二首」とありますが、実は家特本人も相当痩せていたと言われています。ただ、この歌からもわかるように、すでに奈良い時代には鰻(うなぎ)は滋養強壮の代名詞のようにいわれ、夏バテの予防食と認職されていたのですね。

Q.絶品といわれる「アオウナギ」って、どんな鰻(うなぎ)?

西日本の汽水域を中心に「オウ鰻(うなぎ)」と呼ばれる極上の味の鰻(うなぎ)伝説が残っています。体色はその名の通り、目の覚めるような青や青緑色で、河川でとれる普通の鰻(うなぎ)に比べて頭部は小さくやや尖り、体はまるまると太っているのが特徴です。このアオ鰻(うなぎ)はほかの鰻(うなぎ)より美味しいと評判で、高値で取引されていました。江戸の文化政の頃、戯作者・山東京伝(1761-1816)が書いた「痛言総籬」という遊郭における遊びの指南書に、鰻(うなぎ)の味に関する蘊蓄があります。

 

青か白か やっぱりすぢを長やきのことさ

あを 白 すぢ みなうなぎの名なり

うなぎくひのつういふなり

 

 

すでにこの時代から人々は鰻(うなぎ)の味の違いに興味を示し、ランクづけしていたのです。

アオ鰻(うなぎ)の産地で大消費地でもあった大阪では、江戸時代から明治初期にかけて、アオ鰻(うなぎ)は最高級品という評価でしたが、関東では、東京湾周辺でとれる「江戸前鰻」が最上級で、アオ鰻(うなぎ)は二番手の評価だったとも言われています。とかく味の世界は、難しいですね。

A.関東以西の汽水域に出現する、口が細かく手、背側が青や青緑色の鰻(うなぎ)をいいます。

Q.鰻(うなぎ)を題材にした落語の演目を知っていますか?

古曲落語のなかには、鰻(うなぎ)が出てくる噺がたくさんあります。戦後の名人と言われた八対目桂文楽(1892-1971)はこうした噺が得意で、「鰻の幇間)や「素人鰻」は、彼の十八番でした。

有名な「鰻の幇間」では、流行らない幇間待ちが仕事にあぶれて、通りがかりの男にとり入り、鰻(うなぎ)をご馳走になろうと目論みます。しかし、逆に男に食い逃げされて鰻(うなぎ)代ばかりか男の土産代まで払わせられます。挙げ局の果ては、買ってばかりの下駄までその男の汚い下駄にすり替えられてしまうというさんざんな顛末です。

また、「素人鰻」では、腕のよい鰻職人が酒の失敗で去ってしまった後、旧土族の主人が、自分で調理しようと大奮闘。ぬるぬるとした鰻(うなぎ)をうまくつかめず、両手で交互につかみながら、とうとう店の外へ。「これこれ、履物を出せ履物を。……どこへ参るかわかるか。鰻(うなぎ)に聞いてくれ」という有名な落ちで終わります。これは、安永6年(1777)に刊行された「時熱綱目」にある「俄旅」という話が原話となっています。

この噺では所作も大切で、握った手から、鰻(うなぎ)の頭に見立てた親指をニョロニョロと突き出し、もう一方の手でそれを慌ててつかもうとする。と、今度はその手から鰻(うなぎ)が逃げるかのように、親指をニョコニョコと出してまた反対の手でつかみ…と、これを繰り返しながら鰻(うなぎ)を摑まえようとする様をあらわすのがひとつの見せ場となっています。

現代の噺家も、新作として鰻(うなぎ)をかけたり、枕に鰻(うなぎ)の話題を取り上げたりすることがあります。鰻(うなぎ)のノラリクラリした動きや鰻屋というちょっと粋で小酒落た舞台が、落語の滑稽味やペーソスとよく合っているのかもしれませんね。

A.「鰻の幇間」「素人鰻」」「後生鰻」「鰻谷」「鰻屋」「月宮殿」「やかん」など、多数あります。

 

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