鰻(うなぎ)の生態を知ろう!!続編!

またまた豆知識のブログになってしまい、すみません。これを読めば、鰻(うなぎ)のルーツを少し知っていただけると思います。前回も少し書きましたが、鰻(うなぎ)の生態についてもう少し、深堀りしていきましょう!!
Q.鰻(うなぎ)はどこで生まれるの??
こんなことを想っている方はいませんか??
鰻(うなぎ)の親が卵を産むのは
- 「川だ!」
- 「河口だ!」
- 「浜名湖だ!」
- と言った人が多いようです。しかし、残念ながらすべて誤りです。
A.鰻(うなぎ)が生まれる場所は、熱帯の海。
皆さん、衝撃でしたか??
鰻(うなぎ)が生まれるのは、陸からはるか遠く離れた熱帯の海なのです。
鰻(うなぎ)の産卵場は古代ギリシャの哲学者にして大博物学者でもあるアリストテレスも悩んだほど、鰻(うなぎ)の生態でも特に深い謎に包まれた部分でした。鰻(うなぎ)は川や池、湖で見かけるあまりにも身近な生き物であるため、川や湖で産卵すると思っている人がいます。
「親鰻(うなぎ)が絡み合って産卵しているのを見た」とか「お腹にたくさん卵をもった雌鰻(うなぎ)を獲った」という人が時々いますが、それは穴子の仲間を鰻(うなぎ)と間違えていたり、お腹の中の寄生虫を卵と誤解したりしているのです。
ニホンウナギの科学的な産卵場調査は1930年代から研究が始まりました。1991年にニホンウナギの赤ちゃん(レプトセファルス幼生)が約1000匹採集され、産卵場がマリアナ諸島西方海域にあることが突き止められました。さらに2008年には同じ海域で産卵した親鰻(うなぎ)がまた2009年にはついに卵が採集され、長年謎とされていたニホンウナギの産卵場は完全に解明されたのでした。
Q.鰻(うなぎ)はどのくらいまで大きくなる?
不思議なことに人は20歳を超えると成長が止まりますが、魚は死ぬまで成長し続けます。もちろん、高齢になれば、成長率は下がってしまいますが、それでも徐々に成長を続け、「淵の主」「沼の主」と言われる巨鯉や化物ナマズが出現するのです。
- では、鰻(うなぎ)はどこまで大きくなっていけるのでしょう?
A.ニホンウナギは140㎝/4.6㎏ オオウナギは2m近くまで大きくなる
1.鰻(うなぎ)も十年以上、中には数十年と長命なものもいるため、成長を続けて巨大鰻(うなぎ)になることがあります。
鰻(うなぎ)の場合、産卵が外洋で行われるので、普通は成塾が始まると産卵回遊のため、川へ下って帰っています。しかし、大きな堰ができたり、地形変化や山噴火などで海との連絡が絶ちきられた水域に閉じ込められた鰻(うなぎ)は、成熟がはじまっても産卵場に帰れないので、途中で「成熟」を止めて、また「成長」を断続します。そうした場合、巨大鰻(うなぎ)ができることになります。鹿児島県薩摩半島の池田湖や長崎県長崎市野田崎町樺島の井戸に閉じ込められた天然記念物の巨大なオオ鰻(うなぎ)はこうした例になります。
2.鰻(うなぎ)はメスの方がオスより大きく、成長を終えて産卵回遊に旅立つ
二ホン鰻(うなぎ)の例では、
- メスがおよそ70-80㎝であるのです。
- オスは40-60㎝と明らかに「かかあ天下(のみの夫婦)」です。
3.年齢もメスの方が高く
メスが10歳前後であるのに対しオスは5歳前後と、「あねさん女房」になっています。ヨーロッパ鰻(うなぎ)ではこうした性差はさらに顕著です。これはメスとオスで繁殖戦略が違うためだとする説があります。
4.早く成長を終えて、小さくても産卵に早く参加した方が得だという戦略です。
- メスはゆっくり時間をかけて大きく成長し、たくさんの大きな良質卵をもとうとする方向に進化し、
- オスの方は精子形成に時間とエネルギーはさほどかからないので、あまり大きく成長する必要はありません。
こう考えると、同じ年に生まれた同世代の鰻(うなぎ)が同じ産卵イベントに参加し、一緒に次世代の鰻(うなぎ)を生産しているのではなく、雌雄別々の繁殖の系譜をたどりながら、産卵の一瞬にのみ世代の異なる雌雄がまみえるといったドラマティックな繁殖が行わていることがわかります。同一種の生物の雌雄が、繁殖の一瞬以外はあたかもっ別種のように振る舞うというのは、我々人間の感覚ではずいぶん不思議な感じがしますね。